§20. サリーナ・トゥルダ(岩塩鉱) Salina Turda 2010. 8.8

 8月8日午後12時、私たちはトゥルダ(Turda)の町にあるサリーナ・トゥルダ(Salina Turda)を見学しました。salină は「塩鉱・塩田」」を表す単語です。かつてここでは岩塩が採れたためにいくつもの坑道が掘られ、塩の鉱山のようになっているのだろうと想像しました。
 広大な平地にそれほど大きくない体育館程度の大きさの建物が建っていました。その建物を囲むようにして、周囲の道路には至る所に観光に訪れた人々の車が停めてありました。私たちもその建物からずいぶん離れた道路に車を停め、10分くらい歩きました。
 建物の中は見学する人々であふれかえっていました。私は建物に入る前は、ここはかつて岩塩を採掘した当時の様々な資料を展示する資料館なのかなと思いました。ところがそうではありませんでした。やはりかつての坑道がありました。坑道の壁は塩の壁でした。手で触ると氷のようにひんやりしました。坑道はいくつもあって、私たちは順路に沿って奥へ奥へと進みました。
 坑道の一角にマリア様が祭られていました。その昔作業の無事を祈ったものでしょうか。あるいは落盤などの事故でなくなった作業者の慰霊のためのものだったでしょうか。
 坑道は次第に地下へ地下へと続いており、奥へ行くに従って気温が低くなっていきました。外は30度を超す気温なのにここは20度程度しかないようでした。
  坑道が尽き、坑道の出口から身を乗り出して、私はびっくりしました。目の前に東京ドームを何倍にも大きくしたような巨大な空間がありました。その空間は私たちの立っている位置をてっぺんにして、地下300メートル以上も下に続いていました。(残念ながら私には正確な規模がわかりません。)
   その巨大な空間は一大レジャーランドでした。観覧車が回っていました。動くティーカップもありました。テニスコートや卓球場もありました。更に地下には池まであり、そこでは大勢の人がボートに乗っていました。コンサートホールまでありました。
 地下に続く階段が左右にあり反対側の階段を見ると、隙間もなくびっしりと観光客が地下へ地下へと歩いているのが見えました。きっと私たちの側の階段も同じように大勢の観光客が地下を目指して歩いているのでしょう。
  コステルが「下まで歩いていくか。」と聞きました。下まではかなりの運動量になるはずでした。「ああ、行こう。」と私は言いました。一番下まで行き、地面にある大きな砂粒を広い、舐めてみました。するとそれは砂ではなく、塩でした。赤や青や黄や、様々な色のライトが巨大な空間を照らしていました。
 帰りにコステルが「上まで歩いていくか?」と聞きました。上りは下りよりも更にきつい運動量になるはずです。上り専用の大型エレベーターが二基あり、順番待ちの人々が長蛇の列をなしていました。私は「ああ、歩こう。」と言い、息弾ませて階段を上りきりました。地上に出ると、灼熱の太陽が輝いていました。空気は熱風のように感じられました。

ルーマニア館

遥かなる東欧の国ルーマニアに魅せられた私の館『ルーマニア館』は『ルーマニア愛満載館』です。

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