この日マリアさんとビストラ村とラストリータ村の見物を終えると、私たちはクルージュ・ナポカへと向かいました。その町から私の旅のパートナーはコステルに引き継がれるのです。
18時半にマリアさんが予約してくれたクルージュ・ナポカのペンションに着きました。私とコステルは部屋に荷物を置き、マリアさんと三人で夕食をとるために中心街に出かけました。レストランはペンションのご主人が紹介してくれたレストラン・ミラーヴです。
夕食は19時頃になりました.
コステル「この日本人とどうやって意思疎通をしたのか。この人はルーマニア語を話せるのか。」
マリア 「この人は自分の意思を伝えることはできます。簡単なことばでだけど。発音も上手ではないけれど、しっかり聞いてあげたらあなたにもわかるでしょう。」
マリア 「この人に話すときは平易なことばを使うこと。そして、できるだけ短いことばで、ゆっくり話してください。ルーマニア人の発音には慣れていませんから。」
マリア 「この人は辞典を持っているから、いざとなったら筆談ができます。会話よりも筆談の力は少し上です。」
これを聞いておそらくコステルも覚悟を決めたことでしょう。私たちはめいめい好きな料理を頼みました。私はポルクのフリプトゥーラ(豚の焼肉)とチョルバ(スープ)とサラダを食べました。 今回の旅行で私は "ciorbă de burtă" (チョルバ・デ・ブルタ)が大好きになり、毎食のように食べました。モツ肉を煮込んだスープです。付け合わせに出ている青い野菜は ardei(唐辛子)です。白い容器にはスムントゥーナ(smântâ^nă~)と呼ばれるサワークリームが入っていて、お好みでスープに加えます。私とコステルはビールを飲みました。ursus はクルージュ・ナポカでつくられていると聞いたのでそれを飲みました。
マリア「そろそろ帰らなければならないわ。たばこを一本吸ったら帰ろうと思うけど、吸ってもいいかしら?」
私「どうぞ。でも、お願いだから、できるだけゆっくり吸ってくださいよ。」
マリア「×××××・・・・」
私のことばを聞いてマリアさんはコステルに何事か言いました。おそらく「この人はこのくらいのことはルーマニア語で言えるのだから、問題なく二人で旅行を続けることができるはずです。」などと言ったのではないかと想像します。そしてマリアさんはゆっくりたばこを吸い、席を立ちました。 マリアさんが車に乗ろうとしたとき、私は彼女の腕を取って、「 コステル、さようなら!マリア、さあ一緒に帰ろう、トゥルグ・ムレシュへ。」と言いました。マリアさんはにっこりしてそのことばを聞きました。コステルはあきれたように私の演技を見ていました。私はマリアさんに感謝のことばを述べました。
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