§10.スープの底がもっと深かったらいいのに 2010. 8. 5

 途中アップダウンの連続する曲がりくねった山道を走りました。このような山道を何というのかと尋ねるとコステルは、「デニヴェラリ クルベ」(denivelări curbe) と言いました。ルーマニアは国土の中央部にカルパチア山脈があり、高原も多いことから、このような坂道は至る所にあります。  突然コステルが急ブレーキをかけ、"Drum prost"(ひどい道路だ)と叫びました。道路の舗装があちこち陥没しているので、うっかりそれにはまったら大事故になりかねません。ルーマニアにはこのような道路が多く、また田舎では舗装されていない道路も多く、路肩も崩れていたりするので十分気をつけなければなりません。"Și devenilări curbe!"(それに曲がりくねった坂道だし。)私は覚え立てのことばで応じました。

 13時に多くの人々と多くの車でにぎわうきれいな町に入りました。シゲット・マルマツエイ (Sighetu Marmației) でした。私たちはここでレストランに入り昼食をとりました。私は "ciorbă de foasole"(マメのスープ)と"șniței de porc"(豚肉のカツレツ)を食べました。 

  私はスプーンでスープを飲むのがうまくできません。そこでコステルに、 

 "Ar fi bine sa~ fie mai ada^nca~ fondul lingurei,"(スプーンの底がもっと深かったらいいだろうに。)にと言って、スープの容器を手で持ち上げて飲むような仕草をしました。するとコステルはいたずらっ子をとがめるような目をして、顔を横に振り、

 "Ar fi bine sa fie mai ada^nca~ fondul sticlei."(容器の底がもっと深かったらいいだろうに。) と言って笑いました。「もっと底が深かったらたくさんスープが飲める」と言いたかったのでしょう。  「日本ではスープの容器は手に持ってすすることが多いのだ。」と言うと、コステルはそうした文化の違いに興味を持ったようでした。

  昼食後シゲット・マルマツィエイ市内を散歩しました。初め私は国境に近いうら寂れた町なのだろうかと想像していましたが、あにはからんや、絵のようにきれいな町でした。人々も多く、活気にあふれていました。今ではルーマニアを代表する観光のメッカとなっています。夏はひときわ観光客でにぎわうそうです。 小1時間散策し、たくさん写真を撮りまくっていたらデジカメのバッテリーが上がってしまいました。でもすぐにお店で乾電池を買うことができたのでよかったのですが、私がルーマニアで買った電池は持ちが悪く、すぐにまた買わなければなりませんでした。   

ルーマニア館

遥かなる東欧の国ルーマニアに魅せられた私の館『ルーマニア館』は『ルーマニア愛満載館』です。

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