アリンの話・その2 2005.8.3
次の見学地はシビウですが、車で3時間くらいかかるようです。アリンはトウモロコシ畑がどこまでも続く高原地帯を快調に車を走らせます。ミキはいつの間にか後部座席で寝込んでしまいました。
アリンが話し始めました。
「周りの人は誰もが私とミキが結婚するものと思っている。私ももちろんそのつもりで交際している。ところが昨夜テラスで飲んだ後、ミキが私に言ったのだ。『私は日本人と結婚する。』と。それで私たちは夜遅くまで口論した。私はあなたに私の気持ちをわかってほしかった・・・」
私はその話を聞いて、朝アリンの表情が冴えなかったことやミキが食事に出てこなかったことに合点がいきました。
私は彼に深く同情しました。彼は日本人に恋人を奪われると思っているのです。そして日本人である私に何か力になってほしいと思っているのです。でも私に何ができるでしょう。ミキは日本人を愛し結婚しようとし、アリンはミキを愛し結婚しようとしているのですから。
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