正岡子規の詠んだ秋の俳句
木に倚れば 枝葉まばらに 星月夜
この俳句のルーマニア語への翻訳はネクライ・アマリネイ氏によるものです。
Haiku de toamnă al lui Masaoka Shiki
rezemat de copac
printre crengi și frunze rare -
noaptea înstelată
(tradus de domnul Neculai Amălinei)
(コメント)
明治29年、子規29歳の時の作。
この頃子規は親しい人々を招いて句会を開くことを唯一の楽しみにしていました。この年も病気の身でありながら旺盛な創作意欲を示し、多くの俳句をものしています。
初句は作者の様子、中句は中庭の様子でしょうか。この作品の感動の中心は結句の「星月夜(ほしづくよ)」にあります。この言葉は秋の季語、ただし勘違いしてしまいそうですが、「星と月の出ている夜」ではありません。「まるで月夜のように明るく星々が輝いている夜」のことを言います。夜のしじまに冴え冴えと光を放つ満天の星は子規に生きる勇気を与えてくれたことでしょう。
0コメント